今日のひとこと総集編+映画星取り(20.07)2

今日のひとこと(07.16)
異常気象?
一昨日セミの声を聞き、今日トンボを見た。

鑑賞映画星取り(☆5つが満点)
『WAVES/ウェイブス』(トレイ・エドワード・シュルツ)☆☆☆
有望スポーツ選手で美人のカノジョがいて、家もそこそこ裕福という全てが揃った高校生が、怪我とカノジョの妊娠が重なり輝かしい人生に翳りが見え始め、ついに殺人を犯してしまうという『青春の蹉跌』的な物語だが、カメラとか音楽が流麗すぎて、この手の青春映画にあってほしいヒリヒリ感みたいなものが不足気味。加えて、イキった髪型して学園ヒエラルキーの頂点に立つ(別にそこが描かれるわけじゃないけど)超リア充な奴が不幸になってもなんの同情心も抱けないということもあって今ひとつ響かない。

後半は主人公の妹の物語になって、こちらはイイ話なんだけどややありがち。

しかし、未成年が過失致死で無期懲役って厳しすぎない?アメリカじゃ普通なんだろうか。

『パブリック 図書館の奇跡』(エミリオ・エステヴェス)☆☆☆
マジメで情にも厚くて好感は持てるが、舞台となる図書館の中と外の攻防にスリルがないし、中で繰り広げられるドラマも薄い。基になった実話がそもそも映画にするには弱かったのかもしれない。
もっと立てこもるホームレスたちに個性を持たせるとか、マスコミや検事の思惑を出すとかして話を盛ってもよかった。

主人公の図書館職員は過去に色々あったことが劇中で語られるが、演じるエステヴェスが人畜無害なとっつぁん坊や的顔立ちのせいもあって、それが滲み出るような深みが感じられず。

『アングスト/不安』(ジェラルド・カーグル)☆☆☆★
そんなに目を背けるほどの凄惨さや怖さはなかったんだけど、ストーリーらしいストーリーもなく、ただサイコパスの行動を追うことによって透けて見えるその心理が興味深い。主人公(ちょっと若き日のピーター・フォンダっぽい)の神経症的な、ギリで一般社会にいられる感じがリアル。
そしてこの主人公を捉えるカメラの動きや距離感がなんとも不思議かつ不気味で、作品を一層異様なものにしている。こじつけっぽいけど、主人公に憑りついた悪魔の目線のようにも思えた。
主人公のモノローグの凡庸さは残念。なくてもよかった。

殺人に夢中すぎてまとわりつく犬にまったく無関心なのは、なんか可笑しかった。
死体の演技が素晴らしすぎる。

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(フランソワ・オゾン)☆☆☆☆
『スポットライト』と同じ題材だが、記者の活躍をヒーロー的に描く『スポット』と違い、被害者たちの消えることのない心の傷を丁寧に描いて、20年以上も経ち家庭や社会的地位も得た今になって告発する彼らの勇気が報われてほしいなと切実に願わずにいられない。
ひとりでは辛すぎる闘いを、行動を共にする仲間を得ることで乗り切る展開に胸を打たれる。

こういう性犯罪被害を妻ぐらいならともかく親や子供にまで話せてしまうあたりは、その良し悪しはともかく、ちょっと日本人には理解しがたい感覚だった。

『透明人間』(リー・ワネル)☆☆☆
これまでの透明人間が薬物や科学実験によって透明化するのに対し、本作は光学技術によって開発されたボディスーツによって透明化するというのに今風な新しさを感じる。以前にクルマのピラーを似たような技術で透明化し死角を無くす技術が開発されたのをニュースで見たことがあるから、まったく現実離れしているとも思えない。ただその分怪奇映画色が薄れてしまったのは残念。

ヒロインを演じるエリザベス・モスはサイコ夫が執着するほどのイイ女とは到底思えなかった(スタイルも良くないし)が、終盤の反撃でその悪役顔が活きた。

『LETO レト』(キリル・セレブレニコフ)☆☆☆★
西側のロックを愛する80年代初頭の旧ソ連の若者たちが反体制バリバリという風でもなく、映画自体も政治色を前面に出すこともなく、あくまでも彼らの自分たちの好きな音楽を聴き、好きなように自分たちの音楽を作りたいというピュアな部分が前面に出ていて、青春の万国共通性みたいなものが好ましい。
60年代ヨーロッパのポップさや70年代アメリカ(というかニューシネマ)の叙情も巧く取り入れている。

主人公の歌ももちろんいい。

『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(ヨハネス・ロバーツ)☆☆☆★
前作のような気の利いたところはないが、B級ながら作りはしっかりした正統派サメ映画。
こういう映画で驚かされることはあまりないが、サメが突然現れ襲い掛かってくる場面で、2、3度ビクッとさせられたのでショック演出は上手かったのかも。

何千年も前から残る古代遺跡が、女子がちょっとぶつかっただけで豪快に崩れ落ちるのには笑った。

序盤でヒロインをいじめていたクラスメイトをクライマックスで再登場させるなら、殺せとまでは言わないが一生トラウマになるぐらいの怖い目には遭わせてほしかった。

『悪人伝』(イ・ウォンテ)☆☆☆★
連続通り魔殺人犯に襲われ瀕死の重傷を負った(割にはすぐ元気になるのがマ・ドンソクらしい)ヤクザが、事件を担当するはみ出し刑事と手を組んで犯人を追うというストーリーは、両者の間にやがて友情や信頼が芽生えるというお決まりのパターンにならず、情報共有はしてもそれぞれ勝手に動き相手を出し抜こうとすることで、犯人を交えた三つ巴の様相となっていくのが面白い。ただ犯人の行動も警察の捜査も杜撰すぎてミステリーとしては今ひとつ。
ドンソクがガチで怖い人でいつもの愛嬌がないのも物足りない。
犯人のニヤニヤ顔が気持ち悪くて最高。

『ブラック アンド ブルー』(デオン・テイラ)☆☆☆☆
前方に進みながら斜め下45度ぐらいで海面をとらえるカメラ、上方に振るとその先には街並みが見える。続いてその街をジョギングする主人公の黒人女性。始まって1分かそこらでハズレを確信させるような凡庸さ。しかしその直後、(アメリカでは当たり前であろう)荒っぽい職質によって彼女が警官であることが明かされる場面をはさみ、パトロールする彼女の姿を通して舞台となる街の状況や警官と住民の関係性などを見せる演出の手際の良さに一転して期待が高まる。
そして事件が起こり、主人公が汚職警官とギャングに追われることとなると、活劇の爽快さとは無縁のハンパない四面楚歌状態が最後まで続き息つく暇がない。
警官への反感と面倒に巻き込まれる不安から助けを乞う主人公を拒む市民の姿もリアルだ。

『エレファント・マン』(デヴィッド・リンチ)☆☆☆☆
昔テレビ放映(公開2、3年後でTBSの月曜ロードショーだったと思う)でながら見したときの印象はひたすら暗くて悲惨というものだったのだが、初めてちゃんと劇場で観ると案外そうでもなかった。主人公の不幸な人生を追うのではなく、不幸な人生を送ってきた主人公がひとりの医師との出会いによって、少しずつ人として当たり前の充足感やささやかな幸せを得ていくことを描いているように思えた。

公開前の宣伝では主人公の素顔を一切見せないことで大衆の好奇心を煽るという、かなり下品なやり方をしていたが、リンチの演出は主人公の特異な容姿を(最初こそやや怪奇色を出しているが)必要以上に隠すことも強調することもなく普通にありのままを見せるという感じで、それゆえに劇中の人物と同じように映画を観ているこちらも彼のことを自然に受け入れることができる。

サーカスの仲間が虐げられる主人公を逃がしてやるところが良かった。別れ際に小人が「幸運を」と声をかけ、続けて「俺たちみたいなのが生きていくには幸運が必要だ」と言うのが、なんだか無性に泣けた。

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